月明かりの下で苺は草臥れる

ポケモンの総合レート中心に更新、たまにほかのこと。

【シングル】控えめスイクンについて

自分が最近使ってるスイクンの紹介です。
個人的にすごく好きなポケモンなので、こういう感じで使ってるというのが少しでも伝わればと思います。


まずはΩR・αSリーグのシーズン8レート後半のスイクンのデータです。

f:id:sweetnesstarte:20150317213345p:plain
f:id:sweetnesstarte:20150317213355p:plainf:id:sweetnesstarte:20150317213402p:plain


性格はほぼ図太い一択。持ち物についてはカゴの実とゴツメだけで約9割の占有率。この事から最近のスイクンは眠るカゴか瞑想型、または両方の特徴を持ち合わすハイブリット型。またその亜種として、氷技を切ってステロやゴツメのダメージを蓄積させるカバルドンみたいな熱湯吠える眠る寝言@ゴツメのような型等が主流となっています。前世代などで多かった毒をばら撒くスイクン(所謂ノイクン)の毒々採用率はわずか4.8%、合わせて臆病や最速スイクン等もほぼ絶滅。シングルで非常に使用率が高いガブリアスガルーラバシャーモファイアロー等の物理ポケモンに役割を持たせるためにB寄り配分はレート環境に順応していった結果が特色強く顕れていると思います。ゴツメでのダメージ蓄積や物理に対して裏からのクッションとして、また高耐久な水タイプポケモンとして一線級に返り咲いているといった印象です。

〈今回のコンセプト〉

その物理受けスイクンが主流の環境で、あえてC補正スイクンを使う理由は比較的通りの良い水技+氷技の範囲によるダメージ蓄積と水タイプとしての役割遂行です。

前者はダメージの蓄積はサイクル戦の中で相手に負担をかけるということで、高火力なメガシンカポケモンで抜きやすくするために相手の体力を削るパターンをより強い動きにするため、火力を引き上げる。これはB寄り配分のスイクンが得意とする物理ポケモンに対して、物理特殊ポケモンどちらとも対峙して広範囲を殴っていけるようにというスタイルの対面構築の思考に近いです。

後者は水技が弱点のポケモンを確実に落としたり、炎や鋼半減のタイプ耐性を活かして殴るということです。周知の通り、一般的なスイクンは低火力で水弱点の相手も一発で落とせないことが多々あるので(もちろん1発で処理しなくても違う役割は持てる)、水のタイプ一致技を撃つ機会にこれを考慮するならばC振りに重点を置くべきだと考えました。


〈調整〉

控えめ 207(252)-x(↓)-135-156(252↑)-135-106(6)(理想個体)


調整も何もない振り方で控えめのHC252S6振りです。これに至る経緯の説明としては、まず普通のスイクンが到達できないC142↑を目指して調整を始めました。しかしC140後半ラインの火力では火力照準を明確に当てるポケモンがなかなか見つからず、水技の威力調節やジュエルアイテムの消滅等もあってできる限り高い数値を求めたいと思ってCに振り切ることにしました。

実際の厳選個体は理想値を引けてないので振り切り安定というのもあります。

具体的な水技の火力目安を挙げるとすれば

○C156ハイドロポンプ
・H215-D92カバルドンを乱数1発(93.8%)
・砂嵐状態のH207-D140メガバンギラスを確2
・突撃チョッキ持ちH195-D100霊獣ランドロスを乱数1発(93.8%)
・H217-D85ドリュウズを確1
・光の壁状態のH155-D100メガバシャーモを乱数1発(62.5%)
・D+1状態のH161-D125ウルガモスを乱数2発(92.6%)
・H198-D126ヒードランを確1
・晴れ状態のH185-D135メガリザードンYを確2

等、威力が修正されたとはいえ、弱点であれば性格補正なしや熱湯では乱数になってしまうポケモンも上手く倒していくことができます。またサブ技である冷凍ビームの火力も同時に上がり、最近見るようになったAD252振りガブリアスやメガボーマンダ等を1発で処理したり、不利な相手である耐久振り威張るボルトロスやサンダーへのダメージ幅を上げたりと副産物も生まれてきます。S×2/3の追加効果のある凍える風よりも冷凍ビームである意味も見出だせるので、控えめスイクンは出来る限りC156に近づけるべきだと思いました。

耐久に関しては特防はXY期に頻繁に使われていた零度スイクンと同じ、一世を風靡したHS252振りスイクンと一緒で、H振りだけのダメージ計算ならたくさん検索で出てくると思うので割愛とさせていただきます。

一番後回しにしたSについては、無振り+1のS実数値。これは凍える風の不採用なのでS-1での調整は不要。
(もちろん味方の岩石封じ等の連携を考慮しない場合)

努力値を捌ききれなかったのもありますが、S106はガルーラ+クレセリアの組み合わせを殴りに来るSの速いギルガルド(S補正なし204振り)との同速対決を捨てない、瞑想を積んでシールドフォルムを上から叩けるようにという理由も考慮。結果的に、この調整としました。


〈持ち物〉

一般的なスイクンとほぼ同じでいいと思います。ただプレートやゴツメ等の火力補助や特殊ポケモンとの撃ち合い範囲をさらに拡張させる突撃チョッキのアイテム等の優先度が高く、逆に技スペースの厳しい眠る用のカゴの実やメリットの薄い食べ残しの優先度は低めかなと思います。自分は即効性ある回復ソースで柔らかい耐久をある程度までリカバリーできるオボンが一番使いやすく感じるので、繰り出し回数が稼ぎやすいオボンの実を持たせています。


〈技構成〉

ハイドロポンプ(確定)/冷凍ビーム(確定)/吠える(選択)/瞑想(選択)

性格控えめの熱湯でも十分火力は出せて火傷が狙えるので中々強いものの、コンセプトであるダメージ蓄積の幅を上げたいのもあって命中率を考慮しても水技は出来る限りハイドロポンプを採用したい所。水タイプの補完として優秀で、弱点の突きやすい冷凍ビームも確定。残りの2つの技は色々と試案した結果、メリットとなる攻撃技で採用に至る技がないので攻撃技2つ+補助技2つの構成が一番有用だと思います。補助技の選択については従来のスイクン以上に起点になりやすく、苦手な相手も引き摺りだして弱さを印象づけてしまうので吠えるを優先的に採用。残りの一枠には最初弱点を突かれる不利対面を覆せるミラーコート(誰がなんと言おうとミラコは補助技)でした。しかし、最終的には特殊技への耐性強化ができる瞑想を採用。1回積むことができればH167-D170のギルガルド(シールドフォルム)をハイドロポンプでちょうど確2(ダメージ85~102)で落としたり、タイプ上ある程度有利な鋼タイプへのダメージ量上昇も期待できるので、瞑想+吠えるという技構成にしています。


〈運用〉

構築的にはクッションとしての耐久はないものの、高い対面性能は保持できているのでガルーラ軸の構築には違和感なくすんなり溶け込みます。自分はハイドロポンプ+メガガルーラの捨て身タックルで猫騙しを挟まずに多くの低耐久ポケモンを縛ったり、冷凍ビームで飛行タイプ等にダメージを蓄積させて格闘タイプのメガバシャーモで全抜きを目指すといた使い方が、火力を引き上げた理に適ってると思います。なので特に相性はいいといったポケモンはいないものの、高火力のメガシンカポケモンとの組み合わせが、構築上図太いスイクンよりも相手を崩す速度が上手く機能してくれると思います。

技構成配分が簡素、ただ対面を意識して撃ち合うといった役割ながらも、非伝説の中では水タイプ最上位のスペックを再認できるはず。


おわり。