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【トリプル】鉢巻メタグロス入りバンギランド

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概要


トリプルにおいて環境の中心に居座り続けるバンギラスクレセリアをはじめ、スタンダードな構築で採用率高いラティオス・化身トルネロスやトゲキッス等の飛行タイプ・カポエラー等の格闘タイプ、トリックルームを軸とする構築のユキノオーモロバレルなど、環境を形成しているポケモンと広く撃ち合うことができるメタグロスをエース起用とした構築。トリプルバトルで使用率の高い威嚇特性や、立ち位置に左右されることがない便利な技である竜の波動や飛行技、霰トリパなどの封印吹雪などに対する抗体を持つのはメタグロスのトリプルならではの長所。このスペックを全面的に出せるような構築を組みたいと思ったのが骨組みを携えるきっかけ、すなわち構築の着想点です。ここまでアピールポイントばかり供覧しましたが、トリプルで優秀な範囲技である熱風や地震が弱点、少し行動が読まれやすく不器用と他の鋼タイプと比較すると扱いづらい部分も同時に目立ちます。なのでトリプルらしさを出すギミックや立ち回りなどを仕込むよりも構築全体をグッドスタッフ寄りに傾斜させて、広く対応できるほうが動かしやすいと感じたので高種族値メタグロスと相性の良いポケモンを採用していきました。

まずは簡単な起用理由の説明です。

メタグロスの次に構築に織り込んだのは霊獣フォルムのランドロス。耐性面ではメタグロスが苦手な地面技、等倍で通してしまう格闘技などを受けることが可能。またランドロスの4倍弱点である氷技、威嚇特性による攻撃力上昇で自身の首が絞まってしまう負けん気トルネロスメタグロスである程度カバーすることができます。

次に採用したのはバンギラス。水技の一貫性が跳ね上がるものの、メタグロスを縛るヒードランシャンデラなどの炎タイプに強く、ランドロスとも多少の相性補完を期待できるポケモン。まず初めにここの枠にはトリプルバトルで非常に重要度の高い天候の自動変化をできる特性を持つポケモンの採用を考えました。5匹いる天候変化特性のポケモンを吟味した結果、メタグロスの苦手な炎タイプへの圧力なら雨構築でもできますが、いわゆる五月雨トリパのブルンゲルサマヨール等トリプルで厄介となるゴーストタイプなどを処理しやすい単体の攻撃性能、微力ながらも砂によるダメージ蓄積のできる点、D上昇補正によって特殊タイプのポケモンと安定して撃ち合うことができる種族値などを考慮して最終的にバンギラスにしました。

この順番でメタグロス+バンギランドといった形で、タイトルに沿った組み合わせとして軸の竣工となります。

4匹目には格闘タイプへの対抗性を持ったポケモンを起用することに。ランドロスがタイプ相性的に有利とはいえ、広く対応できる4つの構成で技欄が埋まってしまったのでめざめるパワー飛行やサイコキネシスなどの技を持たせづらいです。またメタグロスが弱点をつけるものの、等倍で広く撃ち合うためにコメットパンチで拘ると結果的に格闘タイプの処理が遅くなってしまいます。今回の構築では格闘タイプのポケモンは残しておくとバンギラスメタグロスが消耗し、地震や岩雪崩などバンギラス+ランドロスの攻撃が制限されてしまうワイドガードやフェイントを持っていることがある気骨の折れる相手。なのでこの枠は格闘タイプに対しての火力と中央配置した際にすぐ落ちてしまわないようある程度の耐久を兼ねた性能が求められるため過労しやすいポストです。この性能を念頭に置き紆余曲折した結果ラティオスクレセリアの2匹が候補となりました。ラティオスは物理耐久は物足りないものの、メタグロスの弱点をカバーできる7つの耐性、射程の広い竜の波動と高火力の流星群、素早く壁を貼るサポートまでトリプルにおいて高いパフォーマンスのポケモン。役割が違うのであまり比較にはなりませんが、ラティオスと比べてクレセリアは火力と耐性を引き換えに数値受けを可能にする種族値と相手のドラゴン技に弱くならない点、技や型の豊富さなどがメリット。細かな利点をあげれば長くなりますが、今回は既に竜技を受けやすいポケモが3体、氷技弱点が2体いるため少しでも重複をなくせるように考慮。また中央配置の理論的にはタイプ耐性よりも全方向から攻撃が飛んでくるため、数値による耐久のほうが汎用性を落とさないという体感から最終的にはクレセリアとしました。

5匹目に採用したのはサンダー。立ち位置に左右されない飛行技をタイプ一致で使う飛行ポケモンは格闘タイプと同じくトリプルにおいて採用率の高いポケモンなので、弱点を突ける技は他の技より優先させたい技でもあります。また今回の構築ではメタグロスのコメットパンチを半減する水タイプも合わせて処理することができる電気タイプの採用に至りました。加えて炎タイプを採用していないので、炎技である熱風を覚えてハッサムナットレイなどの鋼タイプやユキノオー等に隙を見せない点、他の電気タイプよりも幾分高めな種族値で立ち回りが窮屈にならない点などを考慮してサンダーの起用です。

最後の枠には水技の一貫性が生まれているため、できれば水技に耐性のあるポケモンが望ましいところ。また水タイプに有利なポケモンはたくさんいますが構築の補完として水技を使えるポケモンが必要、そこで目にとまったのがスイクンです。水電気を無効化するトリトドン、複合タイプのブルンゲルや水ロトムなどと比べると汎用性は落ち、できることは限られています。しかしそれを補える双方向からの集中砲火に耐えうる種族値、瞑想による特殊耐久と火力の補強などの観点に着目。個々のスペックが必要となるスタンダード構築の一枠をしっかり穴埋めしてくれました。


採用理由の説明は以上とし、下記から個別の説明です。
説明順序は並びが綺麗な順です。


個別解説


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バンギラス

持ち物:拘りスカーフ

技構成:噛み砕く/岩雪崩/けたぐり/冷凍パンチ 

実数値:189-173-130-Cx-120-124
・噛み砕くでH156-B101のラティオスを確1
・噛み砕くでH223-B141のクレセリアを確2
・A200ハッサムのテクニシャン虫食いを確定耐え
・C161キングドラの珠ハイドロポンプを砂下で最高乱数以外耐え
・A173バンギラスのけたぐりを威嚇込みで最高乱数以外耐え
・A183までのメタグロスのコメットパンチを確定耐え


配分はこちらから (【BW2ダブル構築】ガブバンギ+ギャラドス

トリプルのバンギラスは非常にメタが張り巡らされており、ダメージ半減の実や襷を持たせても手助けや連携攻撃などですぐ落とされることが多くてすぐ縛られてしまうので、役割対象を絞り動かしやすさを重視したスカーフ型にしました。天候の取り合いには不利なものの、現トリプル環境では霊獣ランドロス以外のスカーフを持たせるポケモンには比較的スカーフバンギラスが有利に動けるため、他の持ち物より相手からすれば厄介な持ち物だと判断しました。配分はAを削り過ぎずに最低ラインを保持し、少しでも耐久を伸ばせる最速+HAに振り分けという配分が今回の構築では汎用性が高いと感じたのでダブル用ですが、この実数値をお借りしました。技構成もスカーフの基本的な4種類となっているので特に解説は不要かと思います。


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ランドロス(霊獣)

持ち物:気合いの襷

技構成:地震/ストーンエッジ/蜻蛉返り/守る

実数値:165-216-110-Cx-100-143
・意地っ張りAS


スカーフをバンギラスに回し、火力強化アイテムを持たせるよりも今回の構築では使い勝手を重視したいので延命策の持ち物を持たせることに。オボンやヤチェなど色々と試案した結果、弱点を含めて手助けを絡めた攻撃や袋叩きを受けたテラキオンなど規格外の攻撃にも耐えうるという観点から最終的に襷としました。配分も合わせて一度の行動確保でダメージを稼ぎたいので性格補正をかけてAS振り。技構成についてはバンギラスほどではないものの、集中攻撃されやすいポケモンなので守るは確定、また後発からのメタグロス繰り出しや有利に立ち回るために便利な蜻蛉返りもできる限り採用したい技。次にメインの攻撃技ですがとくにギミックを狙わず、撃ち合いを意識した構築ではピンポイントな技はかえって使い勝手を悪くしてしまう恐れがあるので無難に地面+岩の補完された構成としました。地面技は守るが使えないメタグロスがいるとはいえ、Moveや立ち位置を意識した選出で巻き込みはカバーできる範囲なので複数攻撃できる地震。岩技はワイドガード+飛行タイプのような組み合わせにも対応できるようにストーンエッジ。最終的によく見る技構成となりました。


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メタグロス

持ち物:拘り鉢巻

技構成:コメットパンチ/バレットパンチ/思念の頭突き/地震

実数値:175-187-151-C×-128-102

・鉢巻コメットパンチでH223-B142クレセリアを最低乱数2回以外2発
・鉢巻思念の頭突きでH209-B103モロバレルを確1
・A200ガブリアスの珠地震を複数攻撃補正で確定耐え
・C161キングドラの手助け珠雨濁流を複数攻撃補正込みで最大乱数以外耐え
・4振り80族抜きのS


今回の構築の主軸となるポケモン。鉢巻エースとしての採用なのでタイプ一致技の威力を落とさないようにもう少しAを引き上げたいところですが、トリプルの雨構築でよくみるキングドラの濁流耐え程度の耐久はすぐ落ちてしまわないように最低でも確保したいのでこの配分となりました。技構成については今回のコンセプトである有利な相手への役割遂行技で、かつタイプ一致技であるコメットパンチと思念の頭突きを確定欄に。残りの2枠ですが選択というよりもどちらかといえば消去法のような形で選択していきました。拘りトリックは他のルール以上に狙った相手に決まりにくく、鉢巻を手放してしまうと役割が中途半端になってしまうのでまず不要。また今回の構築では大爆発は扱いづらく、冷凍パンチやアームハンマーも今回の構築では拘ってまで撃つメリットが見い出せなかったので不採用。結果、縛られた状態からも使うことができて袋叩きテラキオンなどにも一矢報いる可能性のある先制技のバレットパンチ。噴火ヒードランシャンデラバンギラス+ドリュウズなどへ広く使える地震といった技構成となります。


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クレセリア

持ち物:エスパージュエル

技構成:サイコショック/めざめるパワー炎/エナジーボール/トリックルーム

実数値:223-Ax-144-138-151-105
・H16n-1
・エスパージュエルサイコショックでH157-B116カポエラーを確1
・A204バンギラスのジュエル噛み砕くを高乱数で耐え
・A200ハッサムの珠テクニ虫食いを確定耐え
・C182ラティオスの眼鏡竜の波動を確定で2耐え


採用理由である格闘ポケモンに対する役割を重視し、中でもトリプルにおいて非常に高い性能を持つカポエラーに焦点を当ててエスパージュエル+サイコショックで処理する要素を含有。めざめるパワー炎でハッサムを倒すことができる帯も有力候補の持ち物でしたが、最終的には波動系や雨構築を意識したD振りのトゲキッスやヤミラミモロバレルなどに対してサイコショックで一度きりながらも大きくダメージを蓄積させることができるエスパージュエルとしました。合わせて配分の方向性もまずはC特化寄りの振り方にすることに。火力をあげることにより、元の火力は低いとはいえ今回の構築では上から攻撃しやすいスカーフバンギラスや攻撃範囲の広いサンダーなどうまく合わせて、メタグロスの苦手なポケモンを排除するといった連携が少なからず生まれるのでサポート型にするよりも動きやすいと思います。次にその他の調整は素早さが欲しい状況ももちろんありますが攻撃を受けやすい中央配置させることもあり、交代させずに削っていく立ち回りも多少できるようHC基調の耐久振りとしました。技についてはメインウェポンであるサイコショック、構築に不足しているタイプでエスパー技の補完ができるめざめるパワー炎まで確定。この2つ以外の技は選択肢として改良できそうな点ですが、まずメタグロスが鋼技で拘るデメリットのひとつである水ロトムニョロトノトリトドンなどの比較的よくみる半減タイプにダメージを稼げるエナジーボール。一度に6匹のポケモンが動くトリプルにおいて非常に強い影響力をもつトリックルームへの返し札としてのトリックルームをそれぞれ残りのスペースに採用しています。構築自体はトリルに依存していませんが、状況によってはトリル下からメタグロスで切り返していきます。その他の技も鉢巻思念の頭突きやランドロスの地震などと連携して広くダメージをいれることができる手助け、氷技や電磁波など有用な技が多くあるので入れ替えの幅はまだありそうです。


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サンダー

持ち物:達人の帯

技構成:10万ボルト/めざめるパワー氷/熱風/見切り

実数値:191-x-105-153-117-158
・16n-1
・C182ラティオスの珠流星群確定耐え
・最速霊獣ランドロス抜き


まず持ち物はラムや回復アイテム、電気ジュエルなどの火力強化アイテム等サンダーと相性の良い持ち物は多くありますが、今回は電気タイプとしての役割を機能させやすいローリスクローリターンな持ち物である達人の帯。
合わせて技も広くダメージを蓄積させるアタッカーを兼ねているため、電気・氷・炎の3種類+補助技といった基本的な構成。補助技の取捨については羽休めや光の壁など色々と迷いました。最終的には耐久の種族値上、手助けを受けた攻撃や集中攻撃などのオーバーキル気味な単体技を受けやすく、守る封印大爆発といったトリプルならではの攻撃を回避したりするのに便利な点を決め手とし、見切りを入れています。配分はまずバンギラスメタグロスが苦手であり、蜻蛉返りで不利な対面を作られやすい霊獣ランドロスを抜かせるS158に設定。またクレセリアと同じく、立ち回りに無理を強いる場面が少なからずあるので耐久を重要視したいポイントとなります。なので構築全体の火力を考えて特攻をもう少し欲張りたいところですが、臆病HSベースからbcdに振り分けた配分です。ちなみにC153は帯めざめるパワー氷で196-100霊獣ランドロスをちょうど確1で処理できるラインとなります。


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スイクン

持ち物:カゴの実

技構成:熱湯/冷凍ビーム/瞑想/眠る

実数値:207-Ax-135-110-136-150
・臆病HS

雨構築や波動技などの特殊技と撃ち合うのを主な立ち回りとし、他の水タイプにはない動きとして瞑想型での起用。また積み技を使う上で心強い回復ソースとして用意したのはねむカゴ。間髪入れずに集中攻撃を受けた際にはすぐ持ち堪えることができるオボンや微力ながらも半永続的な回復である食べ残しもスイクンと相性の良い優秀なアイテムです。しかし今回は状態異常も瀕死級のダメージも一度だけリカバリーできる点、バンギラスメタグロスクレセリアハッサムの虫食いを受けやすいポケモンが固まっているので、オボンだと交代から出した際にハッサムを回復させてしまう点などを考慮して最終的に眠る+カゴの実を採用です。配分は今回の構築ではCに振らなくてもある程度機能させることができ、メタグロスの苦手なシャンデラヒードラン、またクレセリアキングドラなどのトリプルでよく遭遇する80族付近のポケモンを抜けるように臆病HS振り。氷技については凍える風はサポートとしては有用ながらも、他のルール以上に交換が多いトリプルではただ微量のダメージを与えるだけでスイクンが置物になりかねないと感じたので、ドラゴンタイプや飛行タイプにもダメージを期待できる冷凍ビーム。


新環境まで残りの4ヶ月を切りましたが、トリプルはグッドスタッフ系統の高種族値構築で
余生を過ごそうと思います。

おわり。