月明かりの下で苺は草臥れる

ポケモンの総合レート中心に更新、たまにほかのこと。

眼鏡スイクン入りバンギローブ -シングル-


しばらくシングルに潜ることはないと思うのでシーズン8のレートで使っていたPTの紹介です。

簡単な構築順序を説明するに辺り、まず始点として現環境では体感的に臆病HS基調と零度型の二極化して補完として組み込まれるスイクンを相手の構築に負荷をかけるために打ち合いをさせるアタッカーとしての起用を考えました。そして控えめスイクンの火力計算をしている時にあと少しダメージがあれば確1にできる焦燥感が残ることが何度かあったのでステルスロックや宿り木の種などのスリップダメージで定数分を稼げるよう模索しました。その結果失われた従来のスイクンが役割を持っていた物理方面へのカバーとゴツゴツメットによる火力補助を考えてサンダーを採用。元々サンダースイクンは相性良く種族値による立ち回りもできたので悪くない噛み合わせでした。次に上2匹では対処できず、メタゲームの高速化に伴い個人的に実戦投入というより選出段階で圧力をかける仕事色が強くなったラティオスの処理を考えました。ここは天候コンセプトのPTに崩されないよう砂嵐にできる特性、特殊方面への装甲強化、ラティオスに対する常道ともいえる追い打ちをタイプ一致で使えるという点を踏まえてバンギラスを採用。4匹目はバンギラスと相性良く砂構築に対する役割や先制技による抑止力を見てローブシン。鉄の拳特性を使いたい私情も絡んで代わり映えしないバンギローブですが、サイクル重視の組み合わせは眼鏡スイクンも動きやすかったのでこれで落ち着きました。5匹目は1:1交換を狙えて物理火力の底上げを兼ねてカイリューの起用。最後にウルガモスなどに強く補助技での立ち回りのできる鋼枠のポケモンとしてヒードランを構築に入れました。速いポケモンがおらず構築全体が遅めですが高種族値にまとまり改めてバンギローブの強さを実感しました。拙い説明ながらなんとなく構築のプロセスを汲み取っていただければと前文を終わります。

下からポケモン個々のダメージ計算や技の取捨、努力値などの説明です。

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バンギラス@悪のジュエル
191-202-131-x-137-83
ストーンエッジ/追い討ち/冷凍パンチ/電磁波

調整

●H16n-1
●威力40ジュエル追い打ち+天候ダメージ2回でH156-B100ラティオスを確定
●冷凍パンチでH201-B116ガブリアスを超高乱数で1発
●A182ガブリアスの地震を確定耐え
●C182ラティオスの2連続眼鏡流星群を確定耐え
●C205ウルガモスの1舞虫のさざめきを確定耐え
●無振りバンギラス抜き抜き

耐久に努力値を振ったラティオスの減少で使いやすくなったので打ち分けと確実にラティオスを処理するためにジュエル追い討ちの採用。努力値も合わせて交代しなくても落とせるようにAラインを202とDを2連続流星群耐えに調整、残りをBとSへ振り分け。電磁波については構築全体の鈍重を少しながらの填補、残せれば強く動けるローブシンの身代わりの機会の補助にと持たせていました。

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ローブシン@こぶしプレート
207-204-123-x-86-69
気合パンチ/ドレインパンチ/マッハパンチ/身代わり

調整

●気合パンチ+マッハパンチでH155-B101ラティオスを確定
●気合パンチ+マッハパンチでH191-B86ウルガモスを確定
●気合パンチ+マッハパンチでH207-B151までのスイクンを確定
ドレインパンチで209-116ガブリアスを確2
マッハパンチでH207-B131バンギラスを確定
●A204カイリューの鉢巻逆鱗を確定耐えA187ドリュウズの1舞地震を確定耐え
●A204バンギラスの鉢巻馬鹿力+天候ダメージ2回の後に高乱数で身代わりを使える
●C149までのニョロトノの雨状態ハイドロポンプを確定耐え
●S67カバルドン抜きローブシン抜き

鉢巻アームハンマーやビルドアップなどで火力を引き出すローブシンの中でも非常に高い火力でダメージを稼ぎやすい鉄の拳+プレート+気合パンチを中心に構成。セットの身代わりに加えて、打ち合うためのドレインパンチ、強さの要である先制技マッハパンチとどれもこのPT構築のローブシンには必要不可欠な技であり半減でも削っていける火力を持っているので範囲は狭まるものの他の選択技は切りました。鉢巻バンギラスの増加に伴い馬鹿力と天候ダメージを受けた後に身代わりを作るという流れが生きる場面が多かったのでこの調整で使いやすく感じました。

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スイクン@拘り眼鏡
191-x-140-155-135-116
ハイドロポンプ/冷凍ビーム/めざめるパワー炎/寝言

調整

●H16n-1
●ハイドロポンプでH154-D100ボルトロスを確1
●ハイドロポンプで砂嵐状態のH175-D120バンギラスを確1
●ハイドロポンプで準速ラッキー+2調整のH159-D100ハッサムを高乱数で1発
●ハイドロポンプでH203-D86ローブシンを中乱数で1発
●冷凍ビームでH150-D115キングドラを高乱数で2発
●めざめるパワー炎でH197-D105ユキノオーを確1
●めざめるパワー炎でH181-D136ナットレイを超高乱数で1発
●A211ローブシンの鉄の拳ジュエルアームハンマーを確定耐え
●A200マンムーの地震を超高乱数2発耐え
●C182ラティオスの眼鏡流星群を確定耐え
●C161キングドラの珠竜の波動を超高乱数で2発耐え
●準速バンギラス抜きハッサム+2

この構築の基盤であり、打ち合いをさせるアタッカーとしての起用。ハイドロポンプを採用したスイクンといえば水ジュエルを持たせてHC振りベースの零度型などが一時期使われていたのが私個人の印象です。配布型であればハイドロポンプ/氷技/絶対零度/神速といった技構成が基本になると思いますが、今回はC補正での火力の引き上げとめざめるパワー炎による範囲拡張をするために控えめ個体を使用。また持ち物はジュエルとは異なり技が固定されるものの水技の威力維持ができる眼鏡を持たせました。拘ることによりハイドロポンプ以外の技は起点にされるので撃ちづらくなりますが、強化アイテムなしの特攻では落とせないポケモンも処理できるようになるため撃つ場面も少なからずありました。また前述通り同時選出した際のサンダーのゴツゴツメットと合わせれば1発で落とせるポケモン(具体的にローブシンナットレイなど)が増えるので、C補正眼鏡は意表を突くという点でも通常のスイクンとまた違った強さに感じました。努力値の補足として、C全振りとH16n-1調整したあとは素早さをどこに設定するか考えました。S112~124付近は準速バンギラスユキノオー、ラッキー抜きなどが入り乱れてS調整の妥協が必要な区間ですが、今回は1つの調整のポイントとして対受けループに対する駒として採用される影踏みゴチルゼル(素早さ補正なしかつ準速振りに近い配分)に焦点を当てました。一撃では落とされないものの10万ボルトによる手痛い打点と瞑想を先に積まれるのを防ぐためにと少し多めに116と設定。影踏みゴチルゼルがそこまで遭遇するかといえば微妙な所ですが、残りをBに振ることによりトリル下の鉢巻ローブシン(三日月の舞クレセリアとの組み合わせによるいわゆる月光乱舞)のジュエルアームハンマーを耐えれるので珠ハッサム抜きなどを抜けるこの配分としました。水技/氷技/めざめるパワー以外の選択技についてはキノガッサと対面したときにキノコの胞子を受けて返しのターンで落とせる可能性がある寝言にしていました。しかし襷想定で動くことが多く、交代読み茸の胞子からキノガッサに先制して寝言を使う素早さもなく微妙だったので信頼できる命中率安定の波乗りなど別の技を入れたほうがよかったかもしれません。

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▼サンダー@ゴツゴツメット
185-x-131-150-110-147
10万ボルト/めざめるパワー氷/羽休め/身代わり

調整

●めざめるパワー氷+ゴツメ1回でH167-D120カイリューを高乱数で確定
●A204カイリューの鉢巻逆鱗を高乱耐え
●A204カイリューの鉢巻神速2発+天候ダメージを確定耐え
●C156ニョロトノの雨状態のハイドロポンプを確定耐え
●A200ハッサムの鉢巻バレパンで身代わりが高乱数で壊れない
●C118スイクンの冷凍ビームを羽休め時の身代わりが高乱数で壊れない
●最速81族抜き

耐久を削ったスイクンで不安定な物理攻撃やゴツゴツメットによる削りを生かすのとある程度の素早さを確保するために性格臆病のB寄り配分。世に出回っている代わり映えしない配分ですがこの近辺の物理耐久があれば身代わりを緩衝材にした立ち回りもしやすくなるのでこの配分としました。電磁波バンギラスでできない事もありませんが従来の電磁波羽休めによる淘汰は基本的にできなくなりましたが、㍋眼鏡CS振りがメジャー型として運用される現環境で身代わりの使い勝手もよくなったので身代わりの採用を決めました。あとはタイプ一致技の10万ボルト、ドラゴンに対するめざめるパワー氷、サイクルの延命を兼ねる回復手段でサンダーとしての強みである羽休めと順当に技を選択していきました。

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カイリュー@拘り鉢巻
167-186-115-x-120-145
逆鱗/神速/炎のパンチ/馬鹿力

調整

陽気AS極振り
特にダメージ計算などは不要かと思いますので割愛。

持ち物については序盤の削りから終盤の抜きまで担うために鉢巻。続いて努力値は特に耐久調整は必要じゃないと思い、対面構築に起用されるようになった意地っ張りカイリューの台頭やそれに合わせて調整されたポケモンを抜けるように陽気最速。技については強さの源である逆鱗と神速、鋼への補完打点として炎パンチ。残り1つには最初はキノガッサのSを抜いているので寝言にしていましたが、ローブシンを選出しない際に格闘技を欲しい場面が何度かあったので最終的には馬鹿力にしました。

485.gif

ヒードラン@風船
175-x-127-170-130-141
噴煙/竜の波動/大地の力/挑発

調整

●H16n-1
●噴煙でH155-D100キノガッサを確1
●噴煙でH181D-167までのナットレイを確1
●A182キノガッサの鉢巻マッハパンチを確定耐え
●A204バンギラスの馬鹿力を確定耐え
●A186カイリューの鉢巻逆鱗を2発確定耐え
●C182ラティオスの眼鏡波乗りを高乱数耐え
●C177ボルトロスの10万ボルトを2発確定耐え
●準速ドリュウズ+1

クレセドランの増加に伴い見かけるようになっためざめるパワー地面持ちウルガモスや大地の力持ちヒードランなどに対して後出しできるように持ち物は風船。最速とH16n-1に調整したあとはキノガッサを落とせるラインまでC振り、余りをDに振ることでラティオスの眼鏡波乗りを耐える確率をあげるためにD振りとしました。炎技には最低限の火力を確保しているのでヒードランに後出しされるバンギラスなどのポケモンに火傷のリスクが上乗せできる可能性がある噴煙にしました。残りの技は補完に竜の波動、キュウコンや毒々+守るヒードランに対しての大地の力、溶けるランクルスなど新たに挑発をすることでスイクンを含めた構築全体が有利に動けるポケモンが増えたので挑発、といった形でそれぞれ技を選択しました。


次の記事はたぶんダブルレートの構築紹介でそのうち書きます。